2012年2月21日火曜日

「教える」ということ

先週、先々週に引き続き、今週も学校はストライキです。

百マス計算を広めよう大作戦。
2校目がなかなか始められないので、
この前の金曜日に、3校目に訪問しようと思っていた小学校に行ってみました。

この学校は附属小学校3校の中でも、グランドもあるし、
先生のレベルも高い!!
他の学校の先生のレベルが低いとかじゃないけど、
教育熱心な先生が多い気がします。

なぜなら、私がまだ赴任したばかりで、
3校を順番に授業見学をしていたとき、
この学校の先生は、どのクラスも、授業の目的や進め方、
指導内容を来たばかりの私にわかりやすく説明してくれたからです。


他の学校はというと、
授業見学が終わったら、「何か質問ある?」と言うくらいで、
「日本の給料はいくらなの?」とか、「パソコン持ってる?」とか、
授業に関係のない話ばかりでした。


そんな教育熱心な小学校。
ストライキとわかっていて、学校に行ってみました。
すると、子どもの声が・・・

学校自体はストライキでしたが、5年生と6年生のクラスだけ、
授業をしていたんです!!

どの学校にも、事務係みたいな人がいて、校長先生がいないときは
その人と話すんですが、
この学校の事務Kamaraさんがめちゃくちゃ良い人で、
しかも私にわかるように話してくれるので、話がしやすい♪

そんなこんなで金曜日、いきなりやってきた私が、
「算数の授業を紹介したいんだけど・・・」と言うと
「でも最近ストライキだからな~。どうしようかな。。。」と、一緒に悩んでくれて、
「5年生に今日時間あるか聞いてみるよ!」と言って5年生の教室へ。

結局、金曜日は5年生2クラスに百マス計算を紹介することができました!!
しかも、そのうち1クラスは実習生だけしかいなかったにもかかわらず、
実習生の協力のもと、学級崩壊することもなく、授業ができましたヽ(^o^)丿

指導の先生がストライキしてても、ちゃんと実習に来てる実習生を見て、
しかも、私の授業のフォローもしてくれて、
もう感激(;u;)♥


で、今日は6年生2クラスに百マス計算紹介をしましたw
今日のクラスは2クラスとも、やったことがあるみたいで、
みんな優秀でびっくりしました!!


また、今日は先生たちとたくさん話のできた日でもありました。

まず、授業の前に校長先生に挨拶しに行って、
「どんな授業をするんだ?」と言われたので、百マス計算を紹介。
いつもの流れなら、「なるほど~。いいね~。」って終わるんやけど、
「何のためにこれをするの?」と聞かれました。

集中力をつけるため
計算力をあげるため
数字に親しむため・・・


日本語では頭に浮かぶけど、それがフランス語にならない。。。

すると校長先生の話は続く。。。
「例えば、A君が3分でこれができたとする。
B君は5分、C君は10分かかってしまった。
A君は素晴らしいスコアだよね?B君はまぁまぁ。
C君はもっと頑張らないといけないね。
そこで、あなたはC君に何をしてあげる?
成績が悪いって怒る?」

「怒りません。計算が得意な人もいれば、苦手な人もいる。
好きな人もいれば嫌いな人もいる。でも、苦手だからとか嫌いだからって
最初からやらない子には怒ります。できなくてもやってみることが大切なんです。」

校長先生「そうだよね。だから先生の助けが必要なんだよね。
それが先生の役割。ただ与えるだけの授業じゃなくて、できない子も助けてあげる。
それが『教える』ってことだよね。
今、できなくても彼らが大きくなったらできるようになるかもしれない。
だから先生は子どもたちを助けていかないとね。
ぜひ!教える授業をしてきて!!」


できない子はムチでしばかれるのが普通のセネガル。
だから子どもたちはカンニングをしたりする。
そんなセネガルで、子どもたちの個性を尊重し、
できない子をサポートしようという意見を聞くことができて、
嬉しかった♪

正直、1クラスに60人以上もいて、ひとりひとりを見るのは大変やけど、
最初っから無理!って思いながらやるのと、
ひとりでも多くの子を気にかけれるように・・・
って努力するのでは絶対何か変わるはず!
でも、先生の多くは前者。
後者の先生がひとりでもいる限り、私は応援したいし、
一緒に悩みたい!

と、校長先生と話をして気合いの入ったところで6年生のクラスへ。
いつも通り授業をして、中休みになったとき、
クラスの先生が話しかけてきました。

先生「今日もストライキだなぁ。」
「そうですね。」
先生「選挙の年はいっつもこうなんだ!もう2週間以上もストライキしてる。
ただでさえ授業時間が足りないのに、このストライキで抜けた分も、
あとで授業しないといけない。そんなの不可能だ!!
こんな状況良くない!!」
「うんうん。」
・・・
先生「君は日本でも教えてたのか?」
「ここに来る前は大学生で、中学校の数学の先生になる予定です。」
先生「数学はおもしろい。でも、セネガルには数学や理科の先生は全然いないんだ。
数学や理科が好きな人がまず少ない。そりゃぁ先生が黒板にひたすら書いて、
ひたすら説明する授業なんておもしろくないもんな。
だから、JICAはいろんなプロジェクトとかして、こんな風に教えに来てくれて
ありがたいよ。」
「いえいえ。。。」


この先生は中休みの30分間、一生懸命私に教育について話してくれました。


校長先生に引き続き、こんなに教育熱心な先生と出会えて
感動しました(;へ;)♥


ストライキする先生
ムチでしばく先生
とりあえず板書しまくる先生
子どもほったらかしでたばこを吸いに行く先生
時間あまったから授業終わるまでただひたすら子どもを待たせる先生

日本では「ないやろ!」と思うようなことを目の当たりにしすぎて、
でも、これがセネガルだからな-とあきらめてる自分がいたりして、
それに合わせてなんとな~く活動してる自分がいたけど、
今日、いろんな先生と話して、先生の本音が聞けて、
みんながみんな、教育熱心な先生じゃないけど、
ひとりでも教育熱心な先生がいる限り、
活動もっと頑張ろう!って思いました。


次、授業するときは、
「何のために」この授業をするのか。
「できない子へのフォロー」はどうするか。
「60人を相手にした授業展開とは?」

これらのことをきちんと説明できるように、
教材研究&フランス語の勉強頑張ります★★


質問されると、自分自身が
「日本人ボランティア」ではなく「教員の一員」として認めてもらえてるようで
嬉しいです(*^^)v


最近のセネガルは朝晩寒くて目が覚めたり、
夜しか水が出なかったりと、
ここは日本ではないことを実感する毎日ですが、
体調管理をしっかりしつつ、
活動も頑張っていこうと思いますヽ(^o^)丿

日本は雪が降ってるみたいですが、
みなさんも体に気をつけて!!

2 件のコメント:

  1. 何もすることがないっつうのは、本当に辛いけど、することを考え見いだして、しかも認めてもらえてよかったなあ。
    金曜日って、10日のこと?
    それにしても、校長先生からの「C君に何をしてあげる?」の質問に対して、日本語でも難しい回答を、よくフランス語でできるもんやなあ。こっちは英語でもできひんわ。
    風邪ひかないように気をつけてや。

    返信削除
    返信
    1. 金曜日は17日のことw
      ブログには書いてなかったけど実は授業をしてました♪

      まぁ、ブログに書いてる内容は言われたことを自分が受け取ったニュアンスで答えてるし、答えも自分の思ってるように伝わったかわからんけど、そういう会話になってたということにしてるww笑

      削除